原人日誌(三)



狼の心 JM 素人プラモ観 戦争の歌 脆歯の件 能ある鷹は亀隠す 朝っ腹 カードリーマー 歯の浮いた話 LM24 母胎生活 おつとめ 超MM ノイズバブル 解釈変更 スポーツマンシップ

狼の心

ジャーナリストの気分って知ってる?先日の夜、八王子一帯で停電があって、自分ちの方は大丈夫だったのだが、ちょっとチャリを飛ばして「取材」にでかけてみた。あの、3年前の地震後の計画停電(何の意味があったか未だに不明)と同じで、隣駅までの大部分が停電していた。最寄りの橋の向こう側の団地も非常灯以外はまっくら。恐る恐るそこを抜けて大通りの交差点に来てみると、私服の人が交通整理していて、そこへ救急車がやってきて、いかにもパニックっぽい光景だったんで思わず激写!近くのコンビニも暗くて「非常灯で営業中でーす」なんてナレーションも入れてみたり。橋のあたりまでくるとパトカーに先導されて乗用車数台が列をなしているという珍しい絵だったので思わず激写。そこから駅方面は吸い込まれそうなほどまっくら。チャリの電灯でも一寸先は闇で人が急に現れるので轢かないようにゆっくり走った。ポルシェがとまってるのに気づかず危うく傷つけるところだった。駅やロータリーのバスはふだんと変わらなかった。交番も自家発なのか明るくて人々が群れていた。あとは店もマンションもまっくら。飲み屋ではロウソクなのか?かえって雰囲気がでてた。バイパスとその向こうはふだんと変わらず。停電はまだらのようだ。で、帰宅してすぐ激写してきた動画に最小限の編集をして、つべとニコにアップ。時間は十時を少し回った頃で、テレビでもまだ情報が少ない。上空でヘリがパタパタいってて、ただいま取材中のようだ。こっちはもう流しちゃうよ。そもそも停電のこと知ったのもツイタで、こういうのは末端の方が早い。いつもマイナーすぎて閲覧数が乏しい私の動画だが今回ばかりはメジャーな数字はじき出せるんちゃう?と期待しつつ様子を伺う。つべよりニコの方が反応いい。コメもバシバシ。そういうの見てて、ははー、こういう気分なんだ…ニュースとか報道してる人たちってと想像した。どう見て見て!って感じがオオカミ少年に近い。できるだけ大事に見せて注目を集めたい。でも今はネット上にもそんなオオカミ少年少女がわんさかあふれてる。どう見て見て!あたしのかわいい○○、オレのすげえ○○。一億総勢オオカミ時代。2014年4月30日

JM

突然ですがライブレポです。昨夜武道館で見てきました、ジョンメイヤー(以下、JM)。武道館っていうと付き合いでKポップアイドルのライブにいって以来。あのときは客のほぼ全員が10代かオバはんだったけど、今回はバラエティに富んでた。ビデオで見てると若い女性ばかりの印象だけど、そうでもなかった。大阪から始まった来日公演の2日目。親日家のJMは時折片言の日本語で客をわかせていた。「小田原の高校で日本語覚えました」交換留学生だったらしい。黒縁のメガネをかけて白いTシャツにジージャン、ベージュのズボンにブーツという格好でひょろっとした印象。痩せた?結婚まで噂された恋人と別れて少しは傷心かと思いきや、全然ふつうでした。まあ、ああいう人たちは別れを肥やしに生きてる人種だからね。「I Don't Trust Myself With Loving You」なんて曲があるし、つき合いながら突き放してるのは相手もだし自分もで、そんな彼自身がtrustするのは音楽だけだから2年前に喉をいためて手術までした。でも声量は問題なかったし、節回しも器用だったし、元々かもだけど強弱が単調かなってくらい。その歌声を邪魔しないギターもさすが。人によっては「こもってる」と聴こえなくもないけど、多くの場合、PAでボーカルのレンジを空けるために痛い音にされやすいから、それに比べたら出音に近い。しかし贅沢だね。ほぼ1曲ごとにギター持ち替えて、ストラト4本にマーチン2本、アンプもいれると高級車買えるくらい?しかしそれに値する腕を持ってる。「Neon」が最高だった。左手を全開にしてアコギの高音で弾いたり「ここはこうやってる」みたいな解説して超ゆっくり弾いたり逆に高速にしたりして笑わせてくれた。CDなんて宣伝みたいなもんで曲の導入部にセッションが入ったり、何倍にも膨らんで魅力を増していた。そういう柔軟さ、懐の広さはアメリカの底力を感じさせる。ロックが大衆化する前のブルーズやソウル、カントリー、ジャズの香りがぷんぷん。ビートルズから始まった日本とは歴史の深さがちがう。ラストの「Gravity」ももっと長くやってほしかった。動画で涙ぐむ人が映ってたのもわかる気がした。というわけで、話は変わるけど、ボストンも来日だって!?なんと35年ぶりですと。2014年5月3日

素人プラモ観

30年ぶりにプラモを作り出して3年、何が変わったか?前よりは物を買うようになった。物をよく直すようになった。それと掃除をよくするようになった。私の部屋に初めて来た人はそこがプラモ工房だとは誰も気づかないはず。一見、ただの寝室。遊びにきた親戚の子が踊ったり飛び跳ねる空間もある。道具はみな箱に片付いていて、作業の後には必ず机を台布巾で拭き、掃除機をかける習慣。たまにテレビやネットでプロモデラーの作業部屋をみると、まずツールの数がすごい。オーブントースターみたいな乾燥機とか私は電気ストーブ使うけど。箱の中に換気扇が入ったエアブラシ用ブースとか私は天気のいい日にベランダで吹いちゃうけどね。ていうかエアブラシは使わない派。それ使うともう玄人だから。缶スプレーと筆でどこまでできるか?それが素人プラモの世界なの。「大人のプラモ道」の講師で、師匠こと仲田裕之さんがプラモ人口の減少を危惧してたけど、今大人しかやってないからね。昔は子供の独壇場だったよ。それをおおげさに「道場」とか「師匠」なんつうからダメだ。こないだスーパーGT第2戦で脇坂寿一選手がニコ生で裏番組やってて予選よりおもろかった。そこでジュイチさんが「昔はレーサーがただ速く走れば客も入ったけど、今はこういうことしないと…」みたいなこと言っててすばらしいプロ意識と思った。音楽でも大御所が過去の名声に胡座かかないで、若手を発掘して共演(対戦)したりしてるジャンルはつねに活況。今のプラモはどんどん高級になってて、必要なもの全部そろえると万近くしたりする。カネもかかって手間もかかるんじゃゲーム世代は飛びつかない。一方、ガンプラは女の子でもパチパチ作れちゃう。誰が作ってもすごい出来映え、これが今流ですよ。そこにプロがアレンジで技を見せつけるのがいいんでしょ。コンクールとか応募が写真だったり。そうするとカメラ機材もカネがかかる。そんなのスマホで撮った動画でいいじゃん。3Dプリンターで作った拳銃所持で逮捕者が出る時代、そろそろ実物大の戦車を家で作っちゃう人が出てきてもおかしくないのに。2014年5月11日

戦争の歌

テレビで「集団的自衛権」の話題やってるたびにカルチャークラブのザ・ウォーソングが頭に流れてくる。当時はバカっぽい歌だなと思ってたけど、世の中の大半はそういう方がわかりやすいんだろうなと今は思う。で、世の中の大半が戦争を知らない世代になると「自衛のための戦争」ならいいじゃんってなことになるらしい。それって東京裁判でA級戦犯、東条英機が言ったことですよ。自国を守るためなら敵国の人間をぶっ殺してもいいって、それが戦争ですよ。すべての戦争は自衛目的ですから。いいですね。人を殺すことが喜ばれる世界なんて。一生に一度は体験してみたいっすね、そんなゲームみたいな現実。いいですね。空爆されて丸焦げの屍骸が犬かと思いきや、年頃の女性で、それを誰も見向きもせず通り過ぎて行くなんて、まるで文学みたいなシュールな現実も。人間のそれがホントの姿ですから。男も、それ以上に女もセックスが大好きでしょ?でも、実はそれ以上に戦争が大好きなんですよ。タブーほど犯したいのが本能というもので、そういう知らない方がいい真実をいやというほど見飽きてから死ぬのもいいかもね。次に生まれてくるときは人間だけはごめんだっていうのも。きれいごとを言ってみようか。憲法9条の「武力行使を国際紛争の解決手段にいたしません」というのは超A級の国家憲法ですな。世界遺産にしてもいいです。困ったら戦争で解決しようなんざ、B級、いやC級以下。北朝鮮並みですよ。わからねえヤツは殴ってでもわからせろ!みたいなレベル。言葉の通じない先住民を皆殺して新国家を建設されたアメリカさんは武力こそ平和の手段でしょうが。そんなアメリカさんに命を助けてもらった恩返しに安保条約でトモダチ作戦に出た岸総理のお孫さんだからしょうがねえな、といいたいところだけど、拙者は反対いたしません。どうぞ憲法をお変えください。なぜって?戦争のドサクサがどういう状態なのか?人間はやはり愚かな歴史を繰り返すのか?も知りたいし、デモクラシーとか資本主義も発達しすぎるとスッキリしないことばかりで、そんな煩わしい日常をすべてひっくり返してくれそうな戦争という奇跡をちょっぴり信じてみたい気もしないこともないわけです。ただ、そのときは参政権と同様に女性にも徴兵制を課すべきですし、18歳で成人なら学生さんでも出征していただきます。いや、その前に安倍総理がまっさきに出陣すべきでしょう。2014年5月14日

脆歯の件

ここ2日くらい奥歯が痛いというか重い。その奥歯、ずっと銀歯だったが、かぶせた金属がとれて、今はがらんとしてる。神経は死んでいるのに痛むというのはハテ?この奥歯、食べ糟がよくたまるので毎食後、歯間ブラシの反対側で掃除している。さっきも掃除していたら食べ糟かと思いきや、皮膚に白い吹き出物のようなものを発見。ははあ、これが原因か。口内炎のクスリをちょっと塗ってみる。ほんのり甘い。ハテ、暴飲暴食なんてしたっけ?思い当たるものといえば、ガリガリ君ナポリタン味とか!そんなの一回だけだから関係ないか。あと最近、やたらに飲んでたものがパワードリンク。レッドブルとかモンスター、リアルゴールド、ウコンなど。5月に入ってから体調を崩していて、体力つけなきゃ!と飲みまくっていた。あとはマミー。あの甘酸っぱい味が懐かしくて、しかも1ℓで百円もしないからついついノドから手が出た。でも、実はそういう食べ物以上に創作意欲の反動というのもある。5月の頭から制作開始したタミヤのラ・フェラーリが完成した途端に口内炎が出てきたからだ。もう一つ、「風のブルース」という曲も2、3日でパパッとできてしまって、そういうときこそヤバい。意欲というのは諸刃の剣で、外に対してやってることが内に対してもしてしまって、体が悲鳴をあげるということがよくある。しばらくは何もせず休養しなきゃ。実はもう一台、作りたい、というか改造したいクルマがあるのだが、それは来月から始めるとするか。2014年5月20日

能ある鷹は亀隠す

原人界にも泌尿器科がある。「尾陳歩先生、昔の人って皮かむってる人が多い気がするんですけど、よくあれであんなに子供生ませられましたね」「キミ、何を言ってるんだね。皮かむってた方が敏感に決まってるじゃないか」「え?そうなんですか?ボクは中学の頃、同級生の子達が『お前、皮むけてる?まだむけてないの?』なんて話してたもんですから、毛が生えるのと同じに皮もむけないといけないんだと思ってました」「そりゃ間違ってもいないが、むけてる、と、むけるじゃちょっと違うだろ。そういうキミはどうなんだ?そら見せてみろ」「えー、恥ずかしいですよ」「ということは皮かむってるんだな」「ちゃんとむけますよ、やるときは」「それじゃキミのいう『昔の人』と同じじゃないか」「え、どうしてかむってた方が敏感なんですか?」「キミはいつも靴下履くだろ?」「ええ」「で、その上に靴を履いて、舗装された平らな道を歩くだろ」「はい」「それと、いつも裸足で、しかも石ころが転がってる森の道を駆け回ってるアフリカ人とじゃ、足の感覚が同じだと思うかね?」「ボクの足じゃ、とてもそんな森を裸足でなんて無理です」「そうだろ。つまり敏感なわけだ、キミの足の方が。昔、中国に纏足っていう女の子の足を包帯でぐるぐる巻きにする習わしがあったんだ」「え、何のために?」「まあ聞きなさい。で、嫁入りするときにその包帯を解くわけ」「するとどうなるんですか?」「解いてるさなかにイッちゃう」「へえー!超敏感ですね」「キミだって初めてした時そんなようなもんじゃなかったか?」「ちがいますよー。うそです。ゴムつけた途端にイッちゃいました」「だろ?つまり皮かむってる人の方がむけたとき超敏感だから何回でもイケちゃうわけ」「それで子供もどんどんできちゃうわけですか」「女性の方も昔の着物の方が窮屈だったろ?」「体中纏足みたいなもんだ!じゃあ、今少子化とか言ってるのも、みんな皮むけすぎて鈍感になっちゃったからなんですかね」「そうかもしれんね」「先生、ボクなんか自信出てきました!」2014年5月22日

朝っ腹

朝から天気もよく空気もさわやかな季節だが、人の心は天候とは関係ないようだ。十歳の頃、駅前にあった玩具店に自慢のプラモを展示してもらった時のこと。最初は嬉しくて毎日のように店に通い、ガラスケースの中の作品を眺めていた。ある日、それが忽然と姿を消したので心配になって、ある朝、我慢できなくなって、開店時間にでかけ、店長に問いただしたところ、「朝っぱらから何なんだよ!」と怪訝な顔で邪険に扱われた。それでもめげずに懇願すると、やっと店の奥から箱を持ってきた。そのガラクタの中から私のシャアズゴックを何とか救出することができたが、ツメの部品がはずれてたり軽傷を負っていた。つくづく大事なものは公共の場に持ち出すものじゃないとその時悟ったが、実はあれはタイミングも悪かったと今は思う。「朝っぱら」を字引でひくと「朝食前の空腹の意から、朝早いこと」とある。なるほど、たしかに腹が減ると人は機嫌が悪い。寝起きほどではないにしろ、朝ほどバツの悪い気分の時もないようで、何となく何もかもが面倒くさいのが午前だ。仕事で老人を風呂に入れる際、午前に断られても、午後にまた誘うとすんなり入ることも少なくない。要するに朝は気分が億劫なのだ。あの日、玩具店に午後に出かけていたら店長の待遇もちがっていたかもしれない。大事な交渉事は午後に行うべきである。2014年5月31日

カードリーマー

今見てるクルマ番組って一体、いくつあるんだろ?「トップギア」「同(米国版)」「Fifth Gear」「カーグラTV」「GTプラス」「愛車遍歴」それにナショジオの名車再生に最近、カーストリッパーとアニマックスのイニD。他にも散発的にCS系。これだけ見まくってるとかえって夢がしぼむ。そんなスクラップをバラバラに売りさばいて…なんて番組いいしさ、オークションで仕入れた旧車を高く売ろうと思ったら壊れてて損したなんて話もいいよ。レストアの番組も見すぎると恐くなって中古車なんて下手に買えない。アメリカ人には重要なんだろうけど、どれが究極のトラックか?なんてどうでもいいしさ。それにしてもあちらの番組に映る日本の道路事情はひどいね。道は狭いし、渋滞だらけ。これじゃ、軽で十分だよ。スーパーGTとかイニDもさ、結局、コースを速く走るにはスペック云々じゃなく、ドラテクってことでしょ。クルマの性能をいかに引き出すかは運転次第、レースの勝敗はチームワークときやがる。もっともすぎて頂けないね。スーパーカーに乗れば世界一速く走れると思えた頃が幸せだったなあ。それはフォードGT40がルマンで勝ちまくってた'70年前後。「うちもいっちょ、ああいうの作ったる!」と社長がいったか知らないが、その名車が登場したのも'66年。あの亜久里さんをして「まるで夢の中で運転してるみたい」といわせたみんなの憧れのクルマ、それが今改修中のランボルギーニ・ミウラ(のプラモ)です。一体成形ボディを3分割して、ドアとトランクまで切り離して開閉できるように、と書くは易しで、これが難儀な作業でして、チリが合わない合わない。憧れのスーパーカーも裸にしてみると骨と薄皮で中は空っぽ同然。もう補強しまくり。Aピラーの細いこと細いこと。実車のは鉄製とはいえルーフに人が乗ったらぺしゃっとつぶれそう。アルミ製の前後カウルもフルオープンにするとかっちょいいけど、これが250kmオーバーで走ってて突然ガバッと開いたら…と想像するとぞっとする。でもドアの開き方なんて芸術的。ふつうに横に開くんだけど、ヒンジがかなり内側にあって前からみるとドアの先がボディに入り込む感じがいい。60年代ホンダのF1カーからパクったといわれる横置きV12もいいね。亜久里さんも「オレのディアブロはこんなイイ音しなかった」っていってた。運転席の真後ろってのもヤバい。うるさいだけじゃなく、ガソリンのニオイでだんだん頭がもうろうとしてきそう。ま、こんなことを想像してるのが一番いいってことか。2014年6月8日

歯の浮いた話

「あら、かっこいい!」と老人からお世辞をいわれたから、というわけではないが、最近、歯が浮いて困ってる。前に書いた奥歯がついにゆるんで指で押えると動くようになってきた。だけど、歯が動くってことは…歯周病をしらべると、歯垢がたまると歯肉炎や歯槽膿漏になり、やがて抜歯することもあるとか。コワイですねー。痛みがないので末期になるまで進行に気づかないとか。なのでこまめに歯医者さんに行きましょーと。ショーバイ上手だねー。ときに「親知らず」って何でそういうか知ってますか?子供の時にはなくて、生えてきたことを親が知らないからだってさ。そんなの自分だって知らないよ。この親知らずを抜く人が多いのは、現代人は顎が細くて親知らずがちゃんと生えないので邪魔になるからだという。私の場合は親知らずが噛みやすかったので、そればっかり使ってるうちに虫歯になり、銀歯にしてもよく使い、それが外れても噛みまくったおかげで浮いてきたという。これだけ酷使すれば、もう抜いても…と思いきや、この浮いた親知らずにだんだん愛着がわいてきた。思うに、「歯が浮く」なんて慣用句が生まれたってことは、そういう人が昔から多かったんだろう。今みたいに簡単に歯医者で抜いたりできなかったから、その状態を身にしみて知っていたはず。じゃあ、私もとことん歯を浮かせておこうじゃないか。いたわって、反対側にバトンタッチといこう。それでもいつか力尽きて抜けるかもしれない。それでいいじゃないか。何もわざわざ抜くこたぁない。この奥歯は知恵歯ともいうらしい。物心ついた後に生えるからだという。神様はなにゆえにそんなタイムラグをお与えになったか?子供の頃には必要なく、大人になると必要になるもの…いっぱいあるねぇ。プラモづくりなんかも「歯を食いしばって」なんてことばっかですよ。そうか。人生の艱難辛苦に耐えてゆけ!という神様からの最後の贈り物、それが親知らずなのかもしれぬ。それを「現代人の顎は…」などと屁理屈をこねて抜いてしまう、そういう現代人こそ、あらゆる艱難辛苦から逃亡することばかり考えているようです。2014年6月10日

LM24

ルマンといえば世界三大レースのひとつ。一周13キロのコースを約3分半で走る、ということは単純に20倍しても平均時速260km。それを夜中も含めて24時間ぶっ通しで走るというのだからクルマの性能や信頼性もさることながら人間力、組織力も試されるレースだ。今年はネットとJスポーツで中継をみた。24時間の間にはもちろん夜中も走りッ放しだし、天候が急変したり、事故が起きたり、マシンが予期せぬトラブルに見舞われたり、何が起きるかわからない。そんな「魔物が棲んでいる」ルマンで10連勝もしてるアウディのすごさは完璧なピット作業にある。まるで壊れることを想定してマシンを作ってるかのような手際は今年も健在で、前日の予選で大破した1号車を翌日には完全に修復し、それで2位になるんだから信じられない。今回最大のドラマは序盤のゲリラ豪雨。スリップしたトヨタ8号車に追突されたアウディはさすがに自走できずリタイヤ。その8号車は何とかピットで修理して3位入賞。これはトヨタにとっては最大の収穫。今回久々の最上位クラス参戦だったポルシェの919ハイブリッドは2リッターのV4ターボで、さほどスピードは出ないが、マイペースな走りで一時首位に立ち、「ウサギと亀」に喩えられていた。車載映像で気になったのはその揺れ。アウディのマシンに比べるとずいぶんガタガタ揺れてる。あれではマシントラブルの遠因になるのでは?とにかくポルシェといえばルマン最多勝利で、ターボの生みの親でもあるから来年以降に期待。アウディはディーゼルハイブリッドの市販スーパーカー「R20」を出すと噂されて2年くらいたつが一体どうなってるのか?トヨタも優勝したらLFAのハイブリッドを出すって公約したらどうかね。2014年6月15日

母胎生活

今回のプラモ作業でいろいろ気づいたこと。ヤスリとかドリルを使ってるとき無意識に歯を食いしばってる。それで親知らずが浮いてきたのか!いかん、いかん、と口を開けて作業してると、なんだかアホみたい。どうも集中すると口に力が入るらしい。2年前に作ったプラモは接着が甘く、壊すのは簡単でいいけど頼りない感じの作りだった。最近やっと接着のコツがわかってきて、よくいわれるけど、セメントは溶接、瞬着はハンダ付けに近いと思えばいい。前者の場合、手で支えなくても離れないほど接合部の合いをヤスリで調整しておいて、流し込み用をちょっとさせば吸い付くようにくっつく。その気持ちいいこと。凸凹を無視してべったりつけて強引に力でつけようとすると割れや歪みで後で泣くことになる。瞬着はプラ以外の金属などの接着に用いる。接着剤自体が固化するので爪楊枝の先でポチポチさしてくのがベスト。つけすぎると乾いたとき白くなってしまう。古くなったのは使いづらいので1gくらいのチューブを1作ごとに使い切るのがベスト。あとヤスリがけのコツ。目が粗くて粉が舞う場合は水研ぎがベストだけど、細かくなるとかえって表面が見にくいので、少し湿らす程度がベター。よく「みかん肌予防に中研ぎする」というけど、塗装ごとに研いでいくと最後まで凸凹にはならない。例えば、サフの後1200番、ボディ色の後2000番、クリアコートの後6000番と徐々に目を細かくして最後もう一度クリアを吹くと、乾いた時すでに鏡面になってる。その映り込みの解像度をあげるためにコンパウンドをかける感じ。でもさ、こういうチマチマした作業を好きな音楽聴きながらやってると、なぜか思い出すのは期末テスト。学校のテストは習ったことからしか出題されないから復習をまんべんなくやればいい。まんべんなく磨いてる作業とどこか似ている。あれやったから次はここやって…とエンジンやコクピットの作り込みの作業とテスト勉強はどこか似ている。まんべんなく何かやるついでに音楽を聴いてる。「これあんま聴いてなかったな」と珍しいレコードをかけると思いがけず名曲に出会う。ホコリをかぶったレコードを洗剤でゴシゴシ洗って音の分離がよくなって満足したり。好きな曲だけ選んでオムニバス作ったり。学生の頃と同じことやってる。要するに部屋にこもって集中してるのが好きらしい。岸田秀さんはそれを「母胎ぐらし」といってたっけ。2014年6月21日

おつとめ

原人国会でのひと騒動。議会中にヤジが飛ぶことは日常茶飯事だが、新人の女性議員はそのヤジに泣き崩れてしまった。「さすがに今のはヤバいよな」若手議員はそう感じていたが、言った本人は政界の重鎮とも親交のある大物議員、ひとつ威勢のいいとこを見せてやったくらいにしか思っていない様子だった。ところが事態は思わぬ方向へ急展開。マスコミがこぞってそのヤジを「セクハラ発言」と取り上げたから、世の女性たちは怒り心頭。「いやーね、ああいうこというなんてバカにしてるわよね!」女性を敵に回すというのは国民の半分を敵に回すことに等しく、党としても無視できない事態になってきた。「うちの議員と決まったわけではないが、言った本人が名乗り出るべき」と幹事長も苦し紛れのコメント。党として最大の命題がまだ道半ばというところで脚をすくわれてはたまらない。しかし時間が経てば経つほど言い出しにくい状況に追い込まれてきた大物議員、「○○君、すまんが、私の身代わりになってくれんか」彼はまだ若い議員だった。「しかし、先生、私の政治家としての道はどうなるんでしょう?妻子はどうなるんでしょう?」「心配するな。必ずや君の将来の保証はこの私が約束する」「……わかりました。先生の代わりにお勤めしてまいります」「おいおい、そんな暴力団みたいなこというなよ」数日後、彼の謝罪会見が大々的に報道された。しかし、妙に堂々としているので視聴者の中には不審に思う者も少なくなかった。「おい、これ見ろよ」「なんだ、その波形」「あのセクハラヤジと名乗り出たヤツの声紋だよ」「全然ちがうじゃねえか」「つまり、替え玉ってことだよ」「ひっでえな。つか、かわいそーだな」火のない所に煙は立たぬ。その煙を無理にもみ消そうとすればよけいに火種はくすぶるものだ。2014年6月23日

超MM

「なにさっきからそんなに夢中で書き込んでんのぉ?」しばらく一緒に見てるふたり。「よくそんなにスラスラ人の悪口が出てくるわねぇ」「だってホントのことだろ。こいつ男喰いもんにして、踏み台にして、利用する対象としか見てねぇゼ」「ふーん、そーなんだぁ。でもこの人顔きれいだねー。そーゆうあんたがまるでこの人に食われた被害者みたいじゃん」「ちょっとこれ見ろよ…」彼はクルマ雑誌を持ち出してきた。「デパ地下グルマ?何それ…あ、この人、あの議員さんだ。こんな仕事もしてたんだぁ」「ふッ、これでライターなんて笑わせるゼ!クルマのこと何も書いてねぇし。ちょっとここ読んでみ」「えーと、『ちみたまとのカーライフはオトコとより100倍楽しい!』へー、猫飼ってんだー、かわいい」「ふッ、どうせこの仕事もオトコと寝てゲットしたんだろ」「なんでそんなひどいことばっかいうのー?実は好きなんじゃないのぉ!?」「冗談じゃねぇ!オトコより猫が好きだなんて、よーするに人間嫌いじゃねぇか」「そういうあんただってあたしよりクルマとかゲーム好きじゃん」「うっせぇな。今の世の中、そっちの方が主流なんだよ。大昔は異性キチガイだったから慰安婦とか必要だったんで、今はそれがペットとかになってっから少子化なんで、このゲス女も自分棚にあげてよく子育て支援なんていうよ。オメェがまず産んでみろ!ってんだ」「だーかーらー、なんでそんなに熱くなってんのぉ?」「だいたい女性蔑視とかって、あのヤジはこのゲス女に言ったんであって、それを女性一般の問題にすり替えたんだゼ。女性解放じゃあるめぇし、古めかしいのはこのゲス女の方だろが」「あんただって古くさいクルマとか大好きじゃん。歴史マニアだし。実は似た者同士なんじゃん!?超お似合いカップルになれたりして!?キャハハ」「ざけんな!誰がこんな…女とヤルか!」「あ、今、ちょっと想像したでしょ」股間をさわる女。「ほら、でかくなってる!あーそーなんだ。マジむかつくわ」2014年6月26日

ノイズバブル

昔録ったテープを聴くとき、ドルビー何で録ったか一応は見る。でもCだからCを入れると何だか不自然な音なのでオフにしたりする。これどういう原理なんだっけ?と調べたが、どれもしっくりこない。Bは小さい音ほど高音を持ち上げて録音して再生時にカットするみたいな原理。Cはそれを二重にして中域でもやる、とある。でも何だか抑揚がおかしいってことはこれコンプかかってんじゃない?って気がする。要するに録音時に一定の時間内でレベルをあげて、再生時につぶすみたいな原理では?いずれにせよ、テープが録再で変化がなければ正しく働くのだろうが、まちまちなテープの特性を補正(キャリブレート)できるのは高級機で、ほとんどは正しい効果が得られなかったと思う。自分も途中から面倒くさくなっていちいち補正しないままドルビーCをかけていた。20年以上たった今、それらのテープを聴くとちゃんと補正してたのは自然に聴こえる。あと補正してなくても特性のフラットなテープ、特にメタルテープは気にならない。不自然な場合は、例えばフェードアウトのとこで抑揚が変。きれいに消えていかない。それでドルビーをオフにすると小さい音が持ち上げられて、ハイも持ち上げられて、かえって今風のマスタリングっぽい。で、元の音源を聴くと、妙にこもって元気なく聴こえてしまう。それにしても、昔は何であんなにノイズを気にしたんだろう?実際、ノイズなんて聴こえてもいないのに、ドルビーBよりはC、Cよりは…みたいな徹底ぶり。劇場とかライブホールとか大音量でテープをかける場所なら無音のとき「サーーー」じゃダサかっただろうけど、家庭のステレオでそんなに気になったらとっくに近所迷惑だろう。そういう無意味なことにこだわることがバブル的発想なんだろう。今はもちろんドルビーなんて常時オフ。2014年6月28日

解釈変更

原人界にも唯幻論を説く先生がいる。「きしだ先生、集団的自衛権どう思います?」「あんまピンとこないね。官邸前で抗議してる連中、ありゃホント日本人かえ?」「海外の反応とか見ました?」「うーん、経済市場は無反応だし、アメリカも大して期待してないんちゃう?日本の軍隊なんて」「迎撃ミサイルならハワイが狙われたときまっさきに撃ち落とせますけど」「そんなのイザってときホントに役立つのかね?家にある消火器みたいにいざ使おうと思ったら栓が抜けませーん、みたいな」「原発事故のときも、なすすべなしでしたもんね。でも大東亜戦争のときは違いましたよね、日本人も」「うん。竹槍もってエイエイオー!とか女子供もやってたね。特攻隊なんてのも気合いだけは米軍に勝ってたかもな。けど、日本人が一番トチ狂ってた時期ですらそれだぜ?」「気合いだけ勝っても自己マンだ」「今回の解釈変更も自己マンなんじゃないのか?」「そうですよね。それでホントに国を守れるんですかね。アメリカさんの足手まといになるんじゃないでしょうか」「あちらとしては真の相手は中国で、その監視の最前線としてオキナワは重要だから辺野古ベースを早く作りたいわけで、ホントならペリーと同じく外圧で行きたいとこなんだろうよ。何でもええからはよーせい!って感じじゃないの?」「先生は前に今のまま改憲したらアメリカの思うツボ、もっと押しつけ憲法になる、とおっしゃってましたね」「そうだね。自衛隊がアメリカの要請で世界中どこでも駆り出される傭兵になる」「それじゃ、日米同盟を破棄して、憲法も作り直して、自衛隊を真の日本軍にすればいいというわけですか?」「まあ、そうだね」「ですが、そんなことしたら北朝鮮のようになりませんか?結局は核武装する羽目ですよ」「そうかね?」「だって他に道がありますか?」「あるかもよ。現状ではそれすら考える余地がないわけ。キミは親の家に住んでるんだろ?」「はい」「なら今の日本と同じじゃないか」「ボクだって将来のことは考えてますよ。いずれ家を出て…」「なら今回の解釈変更もそのレベルだよ。ぬくぬくしたベッドの中でエイエイヤー!って言ってるだけ。ハチマキとタスキ巻いてエイエイオー!ってやってた戦時中の子供にも及ばないね」「子どもっていや、先生、ボクは家を出たらお菓子屋をやるんです!」「ほほー。チョコレートとか売るの?」「はい!ですから、日本もベルギーやスイスのような完全に取り残された国になってほしいんです!」「そりゃちょっとおかしな国だけどな」2014年7月3日

スポーツマンシップ

原人界でもサッカーが流行ってる。ところが一流チームに入ると、なかなかボールを触らせてもらえない。まず仕込まれるのは、格闘技。レスリングや相撲、柔道…あらゆる格闘技を通じて体と体がぶつかり合うことに慣れさせられる。また剣道では宮本武蔵について学ぶ。例えば、勝負の時間にわざと遅れていき、相手をじらせる心理戦術など、どんな手を使っても勝てばいいという根性を身につけるのが狙いだ。そして格闘技の次に仕込まれるのは、トラッシュトーク、つまり毒舌である。ジダンのような選手がいたらまず「ハゲ!」と叫ぶ。ついで「お前の姉貴はデベソだろ!」など、相手を挑発して動揺させる練習である。そこでまず落語を通じてユーモアやウィットの勉強をさせられる。つぎに国会や議会に足を運び、政治家の吐く高等なヤジを実際に体験する。というわけで選手たちがサッカーらしいサッカーをやれるのはチームの練習時間外だけなのである。2014年7月6日
(四)に続く